中国人の名前と苗字の一覧

漢服を着た中国人女性

中国最多の名字ランキングTOP10

2020年に中国公安部が行った国税調査によると、中国で最も多い苗字トップ10は以下の表で示す順位になっています。

順位 名字
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位

また地域ごとで多い苗字というのもあり、例えば甘粛省では馬の姓が最多と言われています。この理由は甘粛省は回族が多い省として知られており、かつて元帝国が終焉しムスリムが中国人化していく中で、中国にすでにあった名字でありモハンマドの頭文字の発音とも一致する馬の姓を当てたからだと言われています。他には四川省では楊さんが多いと言われています。

気を付けたい点としては、中国語の発音は北京語と広東語や福建語などで異なっていることです。例えば王さんと言う方がいましたら、北京語圏ではワンさんと呼びますが、広東語圏の出身であった場合彼は自分をウォンと呼ばれています。さらに、中国語は四音といって同じ発音でも語尾を上げたり下げたりすることで異なる意味になる特性があります。例えば媽と馬という漢字を日本語のカタカナに当てはめると両方ともマになりますが、中国語の発音では媽は平坦に発音されるのに対し、馬は捻って発音され別の音として認識されます。

中国人の名前に多く使われている漢字

麗:昔から女性名に多く見られる漢字で、読んで字のごとく女性らしい麗しさが伝わってきますね。

強:男性名に良く見られる字です。例えば故李克強首相などもいかにも強そうなイメージに合っていましたね。

平:男性名に用いられます。鄧小平や、言わずと知れた中国の現国家主席の名前にも平の一字が入っていますね。

超:男性名に多く使われています。何かを超えていく、或いはその分野に長けることを願った思いが込められています。

ちなみに、兄弟には同じ漢字を一文字含ませることもあります。典型的な例に中国国家主席の習近平氏の兄弟の習遠平さんがあります。

中国人の名前の呼び方や敬称

中国ではさん付けせずに名前をそのまま呼ぶことも一般的ですが、年配への敬称や特別な人への愛称など次のような接尾語があります。

先生:男性の名前の後に付けることで敬意を表します。例えば張紅飛さんなら張紅飛生となります。

女士:女性の名前の後ろに付けます。

小姐:若い女性に対して付けます。

老師:尊敬する相手に対して使います。名前とつなげる時に「師」だけを付けることもあります。例えば張紅飛という方がいましたら、普段は老子と読んだり張紅飛師と呼ぶことができます。

中国人のニックネーム(あだ名)の付けかた

名前の一字を2回言う

名前にリンという発音が入っていれば、それをリンリンと2回言うことでニックネーム化することが中国ではとても一般的です。例えば張紅飛さんの場合、紅紅、或いは飛飛のようになります。

名前の一字の前に『小』や『老』を付ける

年下に対しては『小』を、年上に対しては『老』を名前の先頭に付けることで親しみを込めて呼ぶことも一般的です。例えば張紅飛さんのケースでいうと、小紅か老紅、或いは小飛か老飛のようになります。

名前の一字の前に『阿』を付ける

名前の先頭に『阿』を付けることで愛情を込めた呼び方になります。例えば張紅飛さんなら阿紅、或いは阿飛となります。

名前と全然一致しないあだ名

中国では知人同士では日常的に本名とは全く関係のない通名で呼ぶ合うこともよくあります。かつては幼名や成人して付ける名前などがあったため習慣が残ったものだと考えられます。

中国は夫婦別姓で女性は結婚後も名字が変わらない

中国では夫婦別姓が標準です。妻は別姓のままで、子供は父の名字を受け継ぐ伝統がありましたが、今は父親の名字か母親の名字かのどちらかを選ぶことができるようになっています。また今は可能になっていますが、かつては同姓の人々は結婚できませんでした。同姓がめちゃくちゃ多い中国だと好きになった人が同姓であるケースはさぞ多かったのではないでしょうか。

以上中国人の名前と苗字について見てきました。日本も漢字を使用しているので、中国人の名前を見知ってくると覚えるのはそれほど難しいことではないと思います。また読み方も中国人の名前を日本語の読み方に置き換えたり、日本人の名前を中国読みに置き換えて読むことも許容されています。とはいえ、仮に現地読みをする場合、漢字の読み方が大きく異なりますし、中国独特の発音である四声によって使い分けられているため、親しい思いを込めて現地読みをしたはずが意味そのものが別物になってしまって怪訝な顔をする中国人もいることでしょう。現地読みをする場合はやはり名前の意味が変わらない様できる限り正確に読むのように心がけたいものですね。