韓国|気が付けば風俗街ワノルドン 釜山(プサン)の夜をタクシーの運ちゃんと過ごしてしまった

2018/7/4
韓国釜山チャガルチ市場
さて、韓国の首都ソウルを見たら次は韓国第2の都市プサン。気風も違うらしいということで、見に行ったのだが・・・
釜山の南浦洞(ナンポドン)はなんか懐かしい、昔の日本の港町の雰囲気があった。
海沿いに魚介類を扱う大きな市場チャガルチというのがある。
蒸し暑い夜のチャガルチを歩いていると、街角の屋台に座っていたおじさんと目があった。
「ロスキー?」
と聞かれた。

ロスキー、つまりロシア人か?と私に聞いたのだ。
俺のどこがロシア人かと思ったが、しかし極東ロシアにはモンゴロイドもいる。
そういったところと勘違いされたか。国際的な港であるプサンには来るんだろうな。
それで「ヤポン」と返した。

「イルボンか」

「あのさ、面白いとこある?このへんで」
英語で聞いた。

「OK!カム!」
「・・・?」
おじさんはタクシーの運転手だった。

(っち、商売か)
「いいよ、俺は歩いてあっち行ってたとこだから」
「カム!カム!OK!カム!(いいから乗りなよ。見せて回ってやるからさ)」

ん・・・?
この目はなんだ?
おじさんの目が来た方が良いと輝いていた。

「タダなら良いよ」
「フリー!OK!フリー!カム!イエス!!」

夜の明かりの市内観光も良いかなと思って私は乗った。
ところがタクシーで5分ぐらいだったか、あっという間にそこに着いた。


大通りを走り出すと思いきや、すぐに裏通りに入っていく。
暗い。何もない。

(こんな暗い住宅街で何をしろと考えてるんだ?)
危険そうなおじさんではないから不思議に思って窓から外を見ていると

やけに照明の明るい店がいくつか並んでいるのが見えてきた
なんなんだこれは、こんな暗い路地で眩しいじゃないか
タクシーは速度を落としてゆっくりと走り、その眩しい店がどんどん近くになる。
何をしているんだ??

えっ?!!

店はガラス張り、蛍光灯で室内を照らしまくった中に一人の女の子がタイトでグラマラスな上下を着てお化粧をしていた。
鏡に向かってメイクアップしている。我々が通ると振り向いてなんか可愛く微笑んだ。
その隣の店もガラス張り、ピンク色の照明の中、ビキニのような姿の女の子が七人ぐらい座っていた。目があった。
正直言って、美人ではあるが整形美人顔。

「おじさん、ここもしかして?」
「遊ぶか?」

「こんなんどうでもいいんだけど。」

どういうとこに行きたいか言おうとしたその時、道端からおばさんが3人、タクシーに寄ってきて、おいでおいでと言う。
「アガシ」
と言っているのは認識できた。
アガシとはお姉さんって意味だったよな・・・?
後は片言の日本語を喋っている。
大胆不敵な顔したおばさん達。
このおばさん達は客引きなのだ。
ここは遊廓、つまり売春宿だった。

おばさんは身振り手振りで窓を開けるように要求してきた。
窓を開けると早口に来いと説得し始めた。

「いやいや」と苦笑いするも、腕を掴まれて引っ張り出されそうになる。
要するにどの娘が良いかと聞いているのだ。

「おじさん、ごめんね。私こういうのいいです」

タクシーのおじさんはおばさん達に何か言っていた。
おじさん、なんだか意気消沈した表情
もしかして、客を連れて行ったあと店からマージンをもらっているんだろうか。

おじさんがあまりにも意気消沈した顔だったのでなぜか申し訳ない気持ちになった私は
「焼肉を食べよう。美味いとこに行ってくれ」

チャガルチ市場の焼肉ホールに来た。
ガランとしたホールにカウンターが4か所
各カウンターに焼肉を焼く女性が立っていて、そこに座って食う。
煙の臭いの染みついた古い建物。焼く女性も少々年増。
しかし、なんだか良かった。
韓国にきた気分がした。

骨太な昔気風の焼き肉ホール
「食べたいものを注文して、私が払うから」
変わったとこを見せてくれたお礼に焼肉を食べてもらおうと思ったのだが、おじさんはあまり食べない。
焼酎をやるとこれはぐいぐいやる
酒飲みだ。

おじさんは色んな話を聞かせてくれた。
家族のこと。釜山の話。韓国の話。
酒が回ると言葉は通じなくとも言いたいことが分かる分かる。
今度また来たら電話くれと。

あくる日、グーグルマップで昨晩行った売春街のエリアを確認した。
そんなところがあることが驚きだったので、覚えておきたかった。
通りから住宅街に入っていったところに突然出てきた売春通り
とてもレアな経験をしたと思っていたのだが、グーグルで調べるとなんと有名な玩月洞(ワノルドン=ウォンウォルドン)という置き屋の並ぶ町だった。
緑町ともいうらしい。
普通にあるんだね韓国もこういうのが。

韓国は売春は違法ということらしいが、堂々と営業されていた。しかもマッサージ屋のふりをしている感じでもなかった。堂々と売春婦を置いている感じだった。
ニュースで見たところによると、韓国では性産業に従事する自由を訴える売春婦のデモなどもあるらしい。性売買特別法(売春禁止法)を廃止しろと訴えながら派手にストリートでデモンストレーションをするのだとか。意外とリベラルな人々なのか。ちなみに赤線地区をどうして緑町と呼ぶのだろうか?