ネパールの話 惜しみなく稼ぎ惜しみなく使う豪快女
小太り中年のある女性がいた。彼女は比較的大きな家が並んだエリアの一角でおんぼろな喫茶を営んでいた。綺麗な家が並んだところに、彼女の喫茶の建物だけがコンクリートブロックで作った小さな古ぼけたものだった。そこで焼きそばかチャパティ、マメスープだけのメニューで営業していた。一見すると貧しい女性がなんとか生計を立てようと奮闘しているように見えるが、実はこの女性には大邸宅がある。そのおんぼろ喫茶から徒歩で10分もいかないとこ、比較的綺麗な家が並ぶエリアで一際どっしりとしたサイズの家である。それが彼女の自宅だ。しかしこの女性はその自宅の屋上に仮設の小屋を作って夜寝るためだけに使用し、1階から3階まで全ての階を一家族ごとに貸しているのだ。家賃収入に加え、おんぼろ喫茶を経営し、さらによその会社にパートの仕事にまで行っている。そんな彼女は旅行三昧と高級貴金属の収集が大好きで、これほど国内旅行をしまくっている人も珍しいだろう。一方で、おんぼろ喫茶では利益が出ないどころか、困った人々に安く食事を提供する。時には無償でふるまっていた。