ネパールの食生活ヤギ肉編 ヤギ肉・食用ヤギの飼育について

ヤギ

ネパール人には肉を食べないという人がけっこういます。ですが彼らのほとんどはベジタリアンではありません。どちらかというと肉はあまり食べず野菜中心の食生活ですという意味で肉を食べないと言っている人がほとんどです。ネパールでは宗教の祭りや結婚式とか祝い事の日など儀式の日に特別な日ヤギをさばいて食べる習慣があります。その日は誰もがヤギ肉を食べています。ネパールで最も重宝される動物の肉はヤギです。そしてヤギ肉こそがネパール人の大好物な食べ物です。肉は食べないという人もヤギ肉があるとなると目の色が変わります。

ヤギの飼育は大変です。まずヤギは木の葉しか食べないので、葉を集めてくる作業が大変なのです。そしてヤギ肉なら全て食べられるわけではありません。オスの肉は臭すぎてそれが好みの人以外はとても食べられません。メスの肉は固すぎてこれまた食べられません。ではどんなヤギを食べるのか?ですが、美味しいヤギ肉を食べるために子羊の段階で去勢したヤギの肉だけを食べています。市場に出るヤギ肉は去勢したオスの肉がほとんどで、去勢していないオスの肉も売ってありますが臭いがきつく、割安であっても味が美味しくないので買う人は少ないです。

  1. 去勢したオスはカシと呼ばれます。子羊のころに去勢されていて成人したころにさばかれます。臭みが少なく柔らかい食感になっていて、これが最も一般的に食べられているヤギ肉です。
  2. 去勢していないオスはボカ(ボコ)と呼ばれ、去勢していないため非常にヤギ臭さが残っているのですが、稀にそれを好む人もいます。

メス(バカラ)は次の二つの理由によって食べられていません。1つ目の理由は、新たに子供を産ませるためです。2つ目の理由は、肉が硬いと言われています。

ヤギはあますところなく全て食べられています。耳肉も人気がありますし、睾丸も需要が付くと言って食べる人も珍しくありません。農村などでは肉を食べるのは何か月かに一度の感覚でヤギをさばいたときに限られています。ヤギは個人が自宅の庭でさばいています。菜食主義者が多いと言われてはいますが、完全なる菜食主義ではなく普段ほとんど菜食中心の食生活であるだけなことが多いです。また経済的な理由で肉を食べ慣れておらず、肉を食べると違和感を覚える人が多いようですが、海外出稼ぎに出たりして肉中心の食生活に慣れてくる人も少なくありません。