ネパールの話 山間部の豊かな紳士

ネパール
山間部の町で知り合ったネパール人は大層大きな家に住んでいた。若い頃からインド軍に所属していて、引退後は故郷ネパールに戻り、ソーシャルワーカーとして近所では誰もが知る紳士だった。軍からの年金に加え、外国系のNGOからも仕事を受けていて大変裕福だった。居を構えた町から1時間ほど離れたところに故郷である村があり、そこから送られてくる食材がいつもふんだんにあり、市中のマーケットで野菜を買うことはなかった。そして食事に必要な調味料などもできるだけすべてを手作りで揃えていた。ネパール人なら誰もが好む黒いお茶を嗜むことはなく、何種類ものスパイスを混ぜ合わせた特殊なお茶をいつも飲んでいて、夜は必ずジョニーウォーカーやシグネチャーなどのスコッチウイスキーである。ジョニーウォーカーやシグネチャーはネパールでは外国で買う以上に高いが毎晩欠かさずに飲み、そして訪問者に惜しみなくふるまっていた。また、村特性の自家製オーガニックワイン(密造酒)も良く好んでいた。密造酒は必ず自分や身内によって製造管理されたものでなければならないといつも念を押していた。屋上には小さな書斎が作られていて、山景色をいつでも満喫できた。これはネパール人の発想ではない。彼の田舎の村では沢山のヤギを飼っていた。ヤギは一頭かなり値が張るが、彼は50頭ぐらいを飼っている。私が彼のヤギ牧場に行ったときはちょうど新しいヤギ舎を作っていて、舎を増築することで更にヤギを増やす考えであった。彼は外国には一切興味を持っていなかった。
・ネパールにもリッチはいる。(想像以上にいる)
・外国に行きたい人ばかりではない。
・外国産ウィスキー(しかも異様に高い)が人気
・兵役を通して欧米化した習慣を身に着けた人もいる
・オーガニックフードが重宝されはじめている