ネパールの祭日ジャナイ・プルニマ|チェトリとバウンが身に帯びる白い紐の日

ジャナイは白い糸で、バウンとチェトリが素肌に袈裟がけする綿100%製。ネワール族も真似して独自の基準でつけている。プルニマはネパール語で"満月の日"を意味する。西洋カレンダーで7月の下旬にある。ネパールでは独自の暦が今もって用いられていて、これを西洋歴に正確に当てはめることはできないのでとりあえずこの祭りの時期は7月の下旬ぐらい。この紐は我々外国人にしてみたら洗っているかどうも定かでない綿の紐にすぎないが、ヒンドゥーでは神聖な紐と考えられている。その紐をこのヒンドゥーの祝日に付けるわけだが、その日はジャートに関係なくいろんな人が腕にジャナイの腕バージョンでドロという紐を巻くようになっている。町のあちこちに紐を持った坊さんが(この日はどう見てもバフン族以外の人も)通りの人に紐を巻いてあげている。ドロは黄色と赤の糸で、男性は右手首、女性は左手首に巻くらしいが、私が見たところ、個人の好みで左右自由に巻いていた。これらの糸はティハール(tihar)の行事の一つであるガイプジャ(牛を崇拝する日)にはずして牛の尻尾に巻きつける。こうすることで、ヒンズー教の宗教観では死後の世界で三途の川を渡るときに、牛が助けてくれると信じられているからだ。牛はヒンドゥーでは神聖なる生き物だ。この日の前日と当日の朝は水で身体を洗い浄めなければならない。そして僧侶(僧侶になれるのはバウンだけ)からジャナイを授かる。というのが祭りの流れらしい。ジャナイをもらうことで1人前として認められるという意味を持つ儀式だそうだ。チェトリは僧侶階級ではないのだけど、ジャナイを巻いても良いよとバフン族から許されている。肩にはジャナイと呼ばれる紐、腕にはドロと呼ばれる紐を結び、神の加護を受ける日。