ネパールのナイトライフの実態

ナイトライフを楽しむの女性

誤解のないように最初に言っておくが、ネパールの女性達は目鼻立ちが整い派手に見えるが、貧しい者も富める者も貞操観念がしっかりしている。親に決められた結婚をするまで処女の女性も沢山いるような国である。結婚するまで性行為しないことは当たり前の国なのだ。なので以下の内容はあくまで少数のことである。少数も1箇所に集まると多数に見えるに過ぎない。

ネパールの性風俗

ネパールの繁華街の夜

日本においても性病など色々怖く感じる私は利用しないが、観光にきている人と話すとネパールの性産業はどうなっているのかという漠然とした疑問を聞くことがある。ここはヒンズー教の国ネパール。スカートを履いている女性はいないし、カップルさえ繁華街にも数えるほどしかいない。でも夜の飲み屋やセクシーなダンスバーはあるし夜遊びする男達もいる。厳しい戒律があるようにも映らず不思議に思えるのは当然だ。

結論から言うと性風俗の店はネパールにもある。しかしインドやオランダのように公然と並ぶ赤線地帯はない。単純に違法だからだ。にも関わらず風俗店の摘発が定期的にニュースになっている。昔はポカラのバグルンバスパークなどは知名度があったが、取り締まりで潰えた。そのため売春は入り組んだ建物の奥や、個人で隠れてコールガールをやっているもの、単純に夜の街角の立ちんぼんなど隠れて行われるようになった。

隠れた違法売春宿

私が住んでいた住宅街の一角に外から見たらただの家にしか見えない場所で売春宿が摘発されたことがあった。「最近あそこで隠れ売春宿が捜査されて消えた」と聞いた。数人の女が勤務していたとか。ネパールでそんなことするのがいたのか!という驚きと、しかもこんな住宅街で!という驚きにショックを受けたものだ。外から見たらただの家で、実際に人が住んでいた。自分の家の一部屋に売春婦を置いていたという。ネパールでは摘発を恐れて朝の時間帯に営業されていると言われている。売春婦にはアーリア人もモンゴロイドもあらゆるカーストがいるという。

他には食い物屋付近を通った時、あそこの女将はレジの守をしているが昔隠れてコールガールをしていた。それを知った店主であり旦那は自殺したとサラッと言われたこともある。それも住宅区の小さな商店街付近だった。根掘り葉掘り聞いて詮索するこのネパールの社会で、どういった交渉で秘密裏に行っていたのか、連絡ルートについては謎である。

タメルで外国人を呼び込み

外国人観光客の多いタメルではマッサージ屋と看板を出して実は性的サービスをしている店が幾つかある。ネパールのような異質な国に来る外国人はそもそも売春などにはあまり興味を持たず、自然や文化的な面を楽しんでいる。そのため実際はタメルまで遊びに来たネパール人が利用しているケースが多い。また同じタメルだがそれとは別に、夜になると外国人相手に男が"ジキジキ"と言って呼び込みすることもある。"ジキジキ"は性行為の隠語である。ネパールのダンスクラブは客が踊るのではなく、コンパニオンとテーブルに座ってダンスする女性を見る形式のものがほとんどだ。これに2種類あって、一つは伝統音楽を民族服着て奏で踊るもの、もう一つがセクシーダンスだ。このセクシーダンスバーの踊り子たちを席に呼んで話をし、閉店後に一緒に何処かへ行くということが常習的に行われている。(ほとんどの客は純粋に音楽を聴いて踊って帰るだけ。) こういったケースの場合、仲良くなってどこかへ行ったか交渉をしてどこかへ行ったかどうやって分かることができるのか不明だが、最近タメルの中心街にある一つのダンスクラブが突然廃業になった。理由を聞くと売春が摘発されたということだった。

ニューハーフの売春婦

多くの人が行き交うスンダラやソラクテの通りでは暗くなると女装したニューハーフが出てくる。帰路を急ぐ老若男女が行き交うのだが、まさにその歩道で派手な衣服を身に着けニューハーフが立っている。スカートなど一人もいないネパールの道で露骨にセクシー服な服を着て立つ姿は見るからにあやしいものがある。身体的な性別は遠くから見ると分かりにくいが近くで見るとニューハーフであることは識別できる。

ちなみにこの付近は売春だけでなく、個人的に女装を楽しむグループも出没する。ニューハーフエリアとまではいかないが、既存のこのエリアのほうが仲間が多いということだろうか。違法でないかぎり女装は本人たちの楽しみなわけで自由だしそれについては私は何も思うところはない。特に最近はニューハーフというか、女装家?が増えたと感じる。しかもなぜか夜になると急に増える。信じられない人もいると思うが、実際に行ってみるとお分かりいただけるだろう。

ちなみに、実はネパールはパスポートに第3の性(トランスジェンダー)表記を認めている。ヒンドゥーは混同・混合を抑止してきただけで独自性と多様性そのものは認めている好例。というのも実はインドやネパールなどヒンドゥー圏にはヒジュラと呼ばれ昔からゲイとして生きる人々のソサエティ(これは売春とは無関係)もあり、性同一性障害の受け皿がそんな昔にすでにあったわけだ。

キャバクラ型の売春店

飲食店として食物を出しながらホステスが売春するケースもある。カトマンズを探検中にカランキやバスパークなど交通網の要所に行くと女性が入口付近に待機するレストランを見て不思議に思ったことがある人もいるのではないだろうか。席に座ると2,3人が着て食事をする。客も売春している店と知ってきているので話をして互いが合意すると近くのホテルに行くらしい。勤務時間中に抜け出せるわけないから、レストランのオーナーも黙認しているということだろう。勤勉で若い女学生も含まれると聞いたことがある。

売春のオンライン化

ポカラではバグルンバスパークが一斉摘発で潰えたあと、ネットワーク化して限定客相手のプライベート売春が主流になっているという。スマホの普及でSNSの利用者が増え、密にコンタクトを取れるからだろう。女性が客が呼び出す場所に行くだけなので、デートとか集会してるだけとか友達だとか、仮に露見されても何とでも言い訳が効くようになってしまっている。

人身売買被害

上記はいずれも自らの意思で売春をしているが、なかには売春婦に堕とされるケースもある。ネパールの農村は貧しいうえに決まり事も多い。そのため貧困と束縛から逃れ村を飛び出してきた一人身の若い女達も時々いる。一昔前はそういった女を狙ってインドに売る犯罪が問題になっていた。

世間をあまりにも知らなさすぎる農村の女を「結婚して一緒に幸せに暮らそう」と言って騙し、インドに連れて行って別の連中に引き渡す。女性は何処に来たかもわからず、捕まって逃げ出すこともできず、農村の言葉しか知らず、仮に逃げ出せても交通費も持っていない。実際にインドの赤線地帯で発見され、帰国を果たせたネパール人女性の話が広く認知されこともあり(辛うじて逃げ延びて来た数例が他にもあった)、今や大々的に認知されているので被害は減少したとか聞くが、リスクがなくなったとは言えない。

ネパールのエイズ・性病・感染症リスク

ネパールでもHIV感染者がいて増加傾向にある。ネパール人は基本的に避妊せず、風俗でもコンドームを使う概念があまりない。代わりに女性が避妊薬を飲んだり避妊注射をするケースが一般的で、性病に対しては危機感が向けられていない。肝炎含むその他感染症に対する警戒意識はさらさらないので、そういった意味からも距離をおいたほうが良いだろう。

以上がネパールの風俗事情だが、当たり前のことだが近づかないほうが良い。それと、ナイトライフは風俗業に限らない。夜の町で働く女性達も真面目で我慢強く平常なバーやパブなど売春とは関連しない場で働く人々が大半だ。彼女達は村々の出身で他のネパール人達同様昔ながらの伝統的な生活を続けた真面目な人たちであることは忘れないでおこう。