ネパール人同士の結婚詐欺がちらほら聞かれる。

ネパールではこれまで結婚のトラブルと言えば旦那の多重結婚によって泣かされる女性というのが一つのパターンになっていたが、昨今は旦那が出稼ぎ中に財産を売って逃げたり、外国に行くために旦那を騙す女性がでてきている。

ネパールでこれまで離婚率が低かった最大の理由は一般的にネパールではいまも結婚持参金制度の慣習があり(現地語でダイジョ)、女性側が男性側に結納金や生活必需品を提供していたからだ。この文化はかつては絶対的なものだったが、今は任意。持参金を払わない人も多いが、今も払う人がいるのも事実。特にタライでは今も多額の現金が用いられている。そのため、一たび結婚するとほぼ離婚はありえないのがネパールだった。どれだけ双方に不満があったとしても、離婚率は極めて低かった。なぜなら例えば離婚するとなると親族が最後まで共にいるのが夫婦だろうが!と騒ぎ立て、嫌なら持参金を返還しろ!と要求があったり、とにかく親戚まで家に押しかけて、更にご近所さんまでも加わって説教を開始するような大騒動になるため誰もが離婚だけはためらった。

ところが今や時は変わり、お見合いはあっても結婚持参金はしない人が多いし、教育や人生観も変わって女性は実に奔放になってきている。それと同時に体裁やご近所のことに無関心な人が増えてきている。そうして女性のわがままで離婚になるケースも増えているのだが、女性のわがままで離婚になるケースで一番やばいケースが夫が出稼ぎしている間に起こる大事変だ。それは夫は妻も財産も一日にして失い、茫然自失となって自殺するケースもでるほどのものだ。

家は売られ貯金は持ち逃げされ鬱になる夫

ネパールでは海外に出稼ぎに行っているというのは一つのステータスになっている。それは定収があることを意味ししかも外国基準の月収であるから、お見合い結婚のときに有利に事が進むからだ。そこで美人と結婚したいネパール人男子は出稼ぎから戻ってお見合いをすませ、結婚式を済ませると再びさっさと就労先の国に戻っていく。ここでとんでもないことが起きている。

まずネパール人男性は妻に愛の印として家の名義を妻の名前にしたり、貯金を妻の口座にする人が増えている。ところが女性は家を売っぱらい、旦那の仕送りでたまった貯金を持って姿をくらますケースが時々ニュースに出て話題になっている。これにより長い海外就労を無駄にした男性が帰国して命を絶つ事件も何ケースもでてしまっている。

結婚はしてるけど同棲しない妻たち

旦那が出稼ぎし仕送りする夫婦とは逆に、妻を海外に送り出して仕送りさせるケースも多々ある。これは強制してるのではなく、女性が自分の意思でやっている。美しい嫁などはお見合いのときに海外就労を条件にする人などもいるぐらいだ。妻にしてみても自分が海外で就労すれば自分で収入を得ることができ、さらに外国で好きに暮らすこともできる、いわば自立と自由の選択肢であり、これを結婚の条件にする女性が実際にいるのだ。そのため惚れ込んでどうしても結婚したい男性などは多額の借金をして妻を海外に送り出す。生活が落ち着いて、条件を満たすようになればいずれは旦那も呼び寄せるという健気な計画だ。ところが、妻が外国に行ったまま音信不通になったケースが一つや二つではないという。それでは旦那をただの踏み台にしたようなものではないか!とお見合いにかかわった人々が総出で大騒ぎとなる。

実際に私の知人でこのケースがあった。私の友人チェトリ男性はタクリの女性と結婚した。結婚持参金制度の通例とは逆で彼が奥さんに多額の結納金を渡す形での結婚だった。女性はとても美しかったし名家であったからだ。ところが、女性は結婚するや否や直ぐにオーストラリアに飛んでしまった。これでその知人はトラブルになってしまった。 結婚はしているはずなのに、家内だけ外国にいる。離婚もする気配がない。ただ外国に行ってしたいことをしている、と。何なのための結婚なのかと言ってもめたのだ。相当に家族間でもめた結果裁判に発展。

女性がここまで強気なのは昨今のネパールの裁判制度によるところもある。いまやネパールの法は女性に圧倒的に有利になった。証拠もなく、妻が夫に暴力をふるわれたと言えば、最悪の場合夫は土地や財産をほとんどもっていかれたり、親権も奪われたりする。ろくな取り調べもなくとりあえず男性が捕らえられるのだ。女性の人権意識の低かったネパールで、人権意識啓発としては効くだろうが男性に非がない場合はたまったものではない。それでネパールでは最近これも問題視されているが、どうにもならない。

知人のケースでは彼の妻があまりに早く海外に飛び、その後の妻の態度が全てを物語っていたため何も失うことなく無事に離婚が成立した。

ネパールの旧来のソサエティに根ざした社会はかなり個人主義的なものに変わってきている。人々は、発展が進まずインフレーションに陥った自国経済から外国に活路を見出そうともがいている。もはやネパールを諦め家を売ってでも身内の一人を外国に送りこもうとしている。そういった出稼ぎしたい人々をターゲットにした詐欺も巷では沢山聞かれるが、結婚して騙して海外にとんずらというケースも時々聞かれるようになった。