膳越しや回し食べの不衛生さ、不快感、大皿を直箸するマナーの無さや唾液感染の危険性
私の家族は基本的におかずは全て一人一人小皿に、大皿のおかずを分け合うなら、取り箸(皿から自分の分を取る専用の箸)を置くことで、直箸(自分の箸で直接つつくこと)がないようにすることが普通であった。
私が子供の頃は、他の友人たちもそれが当たり前だった様に記憶している。
人の箸が付いたもの、人が口を付けたものを食べるのも嫌だし、相手も当然嫌だろう、だから自分も人に自分の箸が付いたものや自分が食べかけたものをあげることなどあり得ないと考えていた。また、食事中は黙って食えと良く教えられた。口を開けて食べる音を人に聞かせるなどもっての他で実に汚いことだと徹底して言われたものである。
皆もそうだったから、それが当たり前だし、日本のマナーだとまで勘違いしていた。
目次
アジアの多くの国では直箸が文化
私が初めて皿を皆でつつきまわすのを見たのは実は外国で、韓国人が彼らの文化として皆で鍋を箸でつつくのを何度も見た時だった。なるほど、皆でつついて仲良く食べる文化なのだな。その後、中国や台湾でもそうしていることを知る。また、音を立てて食べることは、味わうことだとも言うらしい。国が違えばこうも違うものかと、面白く思ったが。
しかし、それはあくまで外国の文化で尊重されているものであり、日本ではれはまた違う扱いだと思っていたのだ。ところが実際は、最近もそうめん流しを不特定多数の他人とエンジョイしている映像を見ることとなり、改めて考えさせられることとなった。
皿を皆でつつくことが日本の文化とみなす人もいる
ネパールにいると、日本に在住した経験を持つ人と会うことももはや珍しくなく、そんな人たちから食事に誘われると、皆一様にジャパニーズスタイルだ、と言って、テーブルに大皿を置き、その食べ物をつつかせようとしてくる。
「一体何の話だ?私はそんな食べ方はしないぞ。そもそもネパールやインドでローティなどの食べ物を手で渡されることも不快だ。」
一体、このネパール人たちは日本でどんな扱いを受けていたのだろうか、と思っていたが…。へ??実際、皿をつつく人が多いようだ。
確かにこの十何年、なぜか日本でも自分の箸で人とシェアする皿をつつき合って平気な人が増えているのではないだろうか。それとも、実はもとからそうだったのか。
この不快極まりない作法は一体何なのかと思いつつも、出された食べ物を食わないわけにもいかず、諦めて一緒に皿をつついて食うしかない。実にバカバカしい、こうなったら何でも食ってやる!
それだけではない、人が「貴方も食べますか?」と言って出してくるから、こちらも何もあげないわけにはいかないような気持にさせられてしまい、自分が箸を付けた食べ物を逆に「いりますか?」と不本意に相手に尋ねなければならないではないか!こんなのバカげている!
不快なだけではなく、さまざまな病気が移る可能性もある。なぜ、人も食べる食べ物に、自分の箸を付けるような失礼なことをして平気なのだろうか。
人の食べ物を手渡しする人もいる
人とシェアする食べ物と言えばピザが典型的だろう。ピザも手で掴んで人に渡す人がいる。自分がまさにピザを食べていたその手で、人に他のピザを取って渡すのだ。類似例としては、南アジアでよくあるローティやチャパティ、日本ではインド料理のナンと言えば形が想像できるのではないだろうか。あれも今から人の口に入れるべきものを、先に自分の手で触れていることに違和感を感じないのだろうか。その手は果たして衛生的なのだろう、と。
食事中に食べながら話すと唾液が飛沫となり飛ぶ
そもそもテーブルに置かれた大皿の上で、誰かに大声で話されて不快に思わない人はいるのだろうか。健康番組などでモニターで唾の動きを検証した映像を見たことがある人も多いのではないだろうか。喋るととにかく唾は飛沫となり落下しているのだ。やはり大皿に唾が飛んでいたではないか。目に見える唾だけが唾ではないということを、検証映像を見る前から人類は本能的に知っていた。それは本能的に嫌悪することだったではないか。
それは、クチャクチャ食べながら話したり、話さなくとも口を開けて食べること、を不快に思うのと似たようなものだろう。マナーにもなったぐらい生理的に不快なのだ。
箸や皿から病気が感染する危険性
自分の箸で皆と共有する食べ物をつつくと言う事は、自分の唾液が食べ物に付着することを意味する。つまり目に見えているかいないかは別としても、間接的に相手に自分の唾がつきかねない。
もし自分が風邪のひきかけだったら相手も数日内に風邪をひくだろう。肝炎を持っていたら、相手にも感染するリスクは無いとは言い切れない。など、さまざまな病原体が相手に移る可能性が排除できない。つまり実は相手に迷惑をかけかねない行為でもあるのだ。
皿を直箸でシェアする事態の対応策
要約すると、現実は、多くの人は大勢の人と直箸したり、人の食べ物に手で触れたりすることを気にしていないように見える。むしろ、食べるときに音を立てることや、大勢で鍋や皿をつついて食べることは、親しい交流を意味し、友情や美味を表現する方法だと考える人もいて、彼らの気持ちも考えなくてはならない。従って、そういった作法がどうしても気持ち悪いと感じる時は、はっきりと、次回から食事が始まる前に大皿から取るため専用に別のお箸を使って取るように頼むか、満腹か気分が優れないのでいらないと断るかなどし、無理にでも食べないといけないと自分を追い込まない様にすることが大事。もうどうしても不快に思うことでも人のために我慢し、何かしらの感染リスクまで負って無理するのは止めよう。
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