インドネシア人の名前と苗字の一覧や名前のルール
インドネシアから日本へ特定技能や技能実習で来日する人が増え、在日インドネシア人を見る機会も増しています。しかしインドネシアは独自の価値観に基づくユニークな命名システムがあり、名字という概念が無いためどう呼べば良いか戸惑う方もいるでしょう。そんな時、インドネシア人の名前について理解しておくと便利です。この記事はインドネシア人への理解を広げることを目的とし、インドネシア人の名前の一覧や名前の順番や呼び方についてご紹介します。
インドネシア人に多い名前と苗字の一覧
インドネシア人男性の名前
アディ (Adhi)アディテャ (Aditya) サンスクリット語で天の光を意味する
アーマド (Ahmad) イスラム系で讃えられる人を意味する
アクバル (Akbar)
アクマル (akmal)
アラム (Alam)
アンディ (andy)
アンガッ (Angga)
アンワル (Anwar)
アリーフ (arief)
アリフ (Arif) アラブ名で賢明を意味する
バグス (Bagus)
バユ (Bayu)
ビモ (Bimo)
ビンタン (Bintang) インドネシア名で星を意味する
チャンドラ (Candra) サンスクリット語で月を意味する
ダニー (danny)
デビッド (David)
イラン (Elang) インドネシア名で鷲
ファルハン (Farhan)
ハリッド (Halid)
ハリイム (Haliim
ヘンリー (Henry)
イムラン (Imran)
イクバル (Iqbal)
イスカンダル (Iskandar)
ジャワ (Jawa)
カデッ (Kadek) 次男
カリアッパ (Kaliappa)
ケヴィン (Kevin)
クーロン (Kulon) インドネシア名で西を意味する
マルワン (Marwan)
マイケル (Michael))
ムハンマド (Muhammad)
ナンド (nando)
ナスィブ (Nasib)
パンドゥ (pandu)
ペルダナ (Perdana) 長男
プトラ (Putra)
ラフィ (Rafi)
ラキーム (Rakeem)
ラマ (Rama)
ラマダン (Ramadhan)
リオ (Rio)
サフワン (Safwan)
サラフディン (Salahuddin)
セティワン (Setiawan)
スーリャ (Surya) サンスクリット語で太陽を意味する
ティムール (Timur) インドネシア名で東を意味する
ウマール (Umar)
ヤズィッド (Yazid)
インドネシア人女性の名前
アリド (Alid)アリヤ (Alya)
アマリア (Amalia)
アナンダ (Ananda) サンスクリット語で幸せを意味する
アニサ (Annisa)
アユ (Ayu)
ベラ (bella)
ブディワティ (Budiwati)
ブーラン (Bulan) インドネシア名で月を意味する
ブンガ (Bunga)
シンディ (Cindy)
シトラ (Citra)
ダリア (Dahlia)
デウィ (Dewi) サンスクリット語の女神を意味するDeviの変化形
ディア (Diah)
エヴァ (Eva)
エルサ (Elsa)
ファラーFarah)
ギタ (Gita) サンスクリット語で歌を意味する
グレース (Grace)
ハナ (Hana)
インダー (Indah) インドネシア名で可愛いを意味する
インタン (Intan)
イスメイル (Ismail)
ジェシカ (jessica)
キラナ (Kirana) サンスクリット語で陽光など光線を意味する
クリスティヤナ (Kristiyana) キリスト教徒の女性
マハラニ (Maharani)
マリア (Maria)
マワール (Mawar) マレー系で薔薇を意味する
マヤ (maya)
メラティ (Melati)
メリサ (Melisa)
ナディア (Nadia)
ニンラット (Ningrat) インドネシア名で高貴を意味する
ヌルール (Nurul)
プトリ (Putri)
ラニ (Rani) サンスクリット語の女王が語源
ララ (Rara)
ロロ (Roro) インドネシア名で貴族を意味する人気の名前
サラ (Sarah)
ソニア (Sonia)
ヴァニ (Vani)
イスラム教徒が多いですので、イスラム教由来、アラビア語由来の名前が多いことや、同時にサンスクリット語にちなんだ名前もあることでヒンズー教の影響も散見されます。サンスクリット由来の名前は特にバリ島に集中しています。また、英語名も多々あることも面白いですね。オランダの植民地だった時代もありますので、クリスティヤナなどキリスト教を想起させる名前もあります。
インドネシア人の名前の順番
インドネシアでは名前は「ファーストネーム + 父親のファーストネーム」の順番で構成されることもありますが、法的にフルネームが名と姓に分けられておらず、単一の名前でも複数の名前でも個人名として認められています。仮に名字を名乗るとした場合は、父親の名前を名乗る傾向があります。また、ファーストネームの前に男性なら「I」、女性なら「Ni」を付ける場合もあります。この様に、インドネシア人の名前を見る場合、先ず必ずしも常にファーストネームとラストネームの概念で命名が行われているわけでは無いことを念頭に置かなければなりません。例外的に、バリ島出身者の名前の順番は「敬称 + 出生順名 + 個人名」で構成されていることがあります。出生順名とはペルダナやワヤン(一郎)、カデッ(二郎)、の様に名前で何番目の子供か分かる命名です。
単一の名前の例
実際、ジャワ系民族など名字を持たないケースも一般的です。例えばSuparmanと言う名前はジャワ人に多い名前ですが、これ一つでフルネームになっています。それでも免許証やパスポートなど公的な身分証明で使用される正当なフルネームです。
幾つもの名前で構成した例
名前+名前など1つ以上の名前でフルネームとしていることもあります。例えば、リオ・ラキーム、ビンタンと言う名前を見ると、ラキームはミドルネームの様にも見えますが、実は任意で付けた3つ全ての名前で一つのフルネームにしているだけだったりします。この場合、日常では先頭の名前かニックネームを使う傾向があります。思い思いに自分の好きな響きのフルネームを創出できると考えれば簡単ですね。そのため、親子で全く類似性の無い名前を持つ人もいます。
H.またはHjが付いている場合
名前の前にH.又はHj.のタイトルが付いてる場合は、その人がイスラム教徒であり、メッカへ巡礼を完了した人であることを意味しています。
インドネシア人の名前の呼び方や敬称
インドネシアでは相手を親族称で呼ぶことで愛情や敬意を示します。実際には血縁関係にない相手にも用いられます。以下に例を示します。
年上の男性を呼ぶ時:
「パ (Pak)」或いは「バパ (Bapak)」と呼びます。バパは父を意味します。例えばスパルマンという目上の男性がいたら、「パ」或いは「パ・スパルマン」と呼ぶことができます。従って名前が分からない時は「バパ」とだけ呼びかける方法もあります。カジュアルに呼びたいときは「パマン (Paman)」と呼ぶことも一般的です。年上の女性を呼ぶ時:
「ブ (Bu)」或いは「イブ (Ibu)」になります。イブは母を意味します。例えばアニサという目上の女性がいたら、「ブ」或いは「ブ・アニサ」と呼ぶことができます。カジュアルに呼びたいときは「ビビ (bibi)」と呼ぶことも一般的です。年上の友達を呼ぶ時:
「カ (Kak)」或いは「カカ (Kakak)」になります。バリ島で人を呼ぶ時:
年上男性を「ブリ (Bli)」=兄の意味、年上女性を「ムボッ (Mbok)」=姉の意味、年下男性は「グス (Gus)」=弟の意味、年下女性は「ゲッグ (Geg)」=妹の意味と呼びます。
インドネシアは多民族国家であり、多種多様な文化を内包し独自の伝統を継承する素晴らしい国です。面白い習慣を守りながら、近代化にも取り組むことでアイデンティティを失うことなく発展してきています。インドネシア人は温和で真面目、勤勉な方が多く、そしてとても優しい方が多いと思います。私の知るインドネシア人女性はいつも私のことを覚えてくれており、私がインドネシア料理が好きなことを知っているため、仕事で忙しいのに定期的にインドネシア料理を作って持ってきてくれます。この記事がそんな社交的なインドネシアの人々と交流する上で役に立つことを願います。
以上、インドネシア人の男性と女性の名前と苗字のリスト、名前の順番と呼び方や敬称についての解説でした。
コメント