古来から日本に文化的影響を与えた中国。漢字もその一つで、私たちは中国人の名前を見て意味を理解できるし、日本語読みもできます。相互主義で中国人も日本人名を中国の発音で呼んでいます。在日中国人が90万人を超えた今、今後も見る機会が増すであろう中国人の名前について知識を付けるため、中国人の名字、多い苗字ランキング、名前の呼び方や敬称、ニックネームの付け方や夫婦別姓のルール、名前に良く使われる文字などを解説します。
中国人に多い名前と苗字の一覧
中国人男性の名前
- 宇軒(ユーシュエン)
- 偉国(ウェーグオ)
- 偉(ウェー)
- 建宇(チェンユー)
- 德明(ドェミン)
- 沐宸(ムーチェン)
- 芳(ファン)
- 鵬大(ペンダー)
- 強(チヤァン)
- 建華(ジェンホア)
- 超(チョー)
- 建平(ジェンピン)
- 博成(ボーチェン)
- 奕辰、亦宸(イーチェン)
- 宇(ユィ)
- 浩洋(ハオヤン)
- 明哲(ミンチェー)
- 浩(ハオ)
- 沐阳(ムーヤン)
- 一銘(イーミン)
- 杰(ジェ)
- 文(ウェン)
- 子涵(ジェ)
- 志明(チーミン)
- 涛(タオ)
- 浩宇(ハオユィ)
- 建豪(チェンハオ)
- 子豪(ツーハオ)
- 子墨(ツーモウ)
中国人女性の名前
- 若汐(ルオチー)
- 小慧(シェオフイ)
- 麗(リー)
- 梓萱(ツーシェン)
- 雅(ヤー)
- 玉明(ユーミン)
- 小丹(シャオダン)
- 花(フア)
- 冬梅(ドンメイ)
- 明珠(ミンチュー)
- 欣怡(シンイー)
- 玲(リン)
- 詩涵(シーハン)
- 若汐(ルオシー)
- 桂英(グイイン)
- 語汐(ユーシー)
- 敏(ミン)
- 娜(ナー)
- 梓涵(ツーハン)
- 紅梅(ホンメイ)
- 雨涵(ユイハン)
- 芳(ファン)
- 思語(スーユイー)
- 玉梅(ユィメイ)
- 婷(ティン)
- 燕(ヤン)
- 藝桐(イートン)
- 静(チン)
- 秀珍(シュウチェン)
- 秀英(シュウイン)
中国人の名字
- 李(リー)
- 范(ファン)
- 彭(ペン)
- 趙(チャオ)
- 温(ウェン)
- 呉(ウー)
- 魏(ウェイ)
- 杜(ドゥウ)
- 陳(チェーン)
- 王(ワン)
- 林(リン)陳
- 胡(フゥー)
- 何(ヒィー)
- 郭(クオー)
- 梁(リャン)
- 朱(ツー)
- 馬(マー)
- 宋(ソン)
- 周(チョウ)
- 潘(パン)
- 袁(ユァン)
- 劉(リウ)
- 姜(ジャン)
- 金(ジン)
- 邱(キウ)
- 孟(メン)
- 陶(タオ)
- 洪(ホン)
- 孔(コン)
- 許(シェー)
- 于(ユー)
- 黄(フアン)
- 張(チャン)
- 沈(シェン)
- 崔(クイー)
- 楊(ヤン)
- 汪(ワン)
- 夏(シャア)
- 秦(キン)
- 江(ジャン)
- 毛(マオ)
- 徐(スー)
- 諸葛
- 晋
- 吉
- 蒙
- 韶
- 游
- 万
- 司馬
- 汝
- 福
- 梅
- 谷
- 钟
- 武
- 仲孫
以上が中国人に多い名前と苗字の一覧です。次の様な特徴が見受けられます。
苗字の特徴
基本的に漢字一文字であることが多いです。しかし、諸葛や司馬など二文字以上の苗字があることもあります。また、後述します苗字ランキングの例えば『王』だけで、一億人を超えるなど、多くの人が同じ苗字を持っていることも特徴になっています。
名前の特徴
男性名では華や国、そして宇の文字が多い傾向があり、華は中華、国は母国、宇は天地を表し自分のいる場所への思い、と言ったように国への思いや、大きな中の個と言った意識が強いことが伺えます。女性名では小さく丸みのある形の綺麗な白い花をつけ、幹の強い木でもある『梓』の字や、『花』など美しい自然にちなんだ名前が多いことです。以下に更に具体的に解説していきます。
中国人の名前に多い漢字と意味
浩:水が豊富にある広い大地を意味する漢字で、男性名によく使われています。
梓:強い幹にとてもきれいな花が咲く樹木で、女性名に多く用いられるようになりました。
宇:宇宙や世界を意味する文字で、スケールの大きな子供に育つよう男性名に使われていることが多いです。
麗:昔から女性名に多く見られる漢字で、読んで字のごとく女性らしい麗しさが伝わってきますね。
然:男性名の末尾に使われています。
博:豊かで広い意味を持つ文字で、心の大きな男性を願って付けられることがあります。
汐:女性名の末尾に使われています。
強:男性名に良く見られる字です。例えば故李克強首相などもいかにも強そうなイメージに合っていましたね。
雨:しとしとと降る雨は美しく静かなイメージとして、女性名に使われています。
平:男性名に用いられます。鄧小平や、言わずと知れた中国の現国家主席の名前にも平の一字が入っていますね。
涵:こちらも水を連想する感じで、潤ったイメージがあるため女性名の末尾に使われています。
超:男性名に多く使われています。何かを超えていく、或いはその分野に長けることを願った思いが込められています。
子:男性名に使われていることが多いです。元気のよい子を願って用いられています。
嘉:男性名女性名共に使われる文字で、演技の良さが込められています。
水にまつわる文字が多く使われていることが分かります。水は環境を潤す天からの恵みだからでしょう。やちなみに、兄弟には同じ漢字を一文字含ませることもあります。典型的な例に中国国家主席の習近平氏の兄弟の習遠平さんがあります。
中国で最も多い名字ランキングTOP10
2020年に中国公安部が行った国税調査によると、中国で最も多い苗字トップ10は以下の表で示す順位になっています。
| 順位 | 名字 |
|---|---|
| 1位 | 王 |
| 2位 | 李 |
| 3位 | 張 |
| 4位 | 劉 |
| 5位 | 陳 |
| 6位 | 楊 |
| 7位 | 黄 |
| 8位 | 趙 |
| 9位 | 呉 |
| 10位 | 周 |
また地域ごとで多い苗字というのもあり、例えば甘粛省では馬の姓が最多と言われています。この理由は甘粛省は回族が多い省として知られており、かつて元帝国が終焉しムスリムが中国人化していく中で、中国にすでにあった名字でありモハンマドの頭文字の発音とも一致する馬の姓を当てたからだと言われています。他には四川省では楊さんが多いと言われています。
気を付けたい点としては、中国語の発音は北京語と広東語や福建語などで異なっていることです。例えば王さんと言う方がいましたら、北京語圏ではワンさんと呼びますが、広東語圏の出身であった場合彼は自分をウォンと呼ばれています。さらに、中国語は四音といって同じ発音でも語尾を上げたり下げたりすることで異なる意味になる特性があります。例えば媽と馬という漢字を日本語のカタカナに当てはめると両方ともマになりますが、中国語の発音では媽は平坦に発音されるのに対し、馬は捻って発音され別の音として認識されます。
外国の名前や地名に漢字を当てて読む慣習例
中国では外国の人や物を呼ぶ時に、漢字を当てて読みます。以下にそれぞれ例を書いていきます
地名の例
典型的な例を、ネパールの国名で見てみましょう。中国人はネパールを『尼泊尔』と表記し、読み方は『ニー・ポー』と言った後に英語の舌を巻く発音『R』をつけ足して済ませます。『Nee Pau R』の様な発音になります。他には、インドは『印度』と表記し発音は『イン・ドゥー』。これらは現地名に似せた読み方です。次はアメリカの国名の例です。中国人はアメリカを『美国』と表記し、読み方はそのまま中国読みで『メイグオ』となっています。これは日本がアメリカを『米国(べいこく)』と読むのと同じことですね。
人名の例
マイケルは『迈克尔』と書いて『マイ・クー・』と言った後に『R』発音をつけ足します。地名のネパールと同じく、『L』の発音を『R』音に近い音で済ませます。次、『凱文』これも良くありますね。ケビンです。読み方は『カァイ・ウェン』みたいな発音になります。似ているようで全然似ていない名前になっています。一方、漢字を使用する日本人の人名はそのまま中国語読みになります。
中国人の名前の呼び方や敬称
中国ではさん付けせずに名前をそのまま呼ぶことも一般的ですが、年配への敬称や特別な人への愛称など次のような接尾語があります。
先生:男性の名前の後に付けることで敬意を表します。例えば張紅飛さんなら張紅飛生となります。
女士:女性の名前の後ろに付けます。
小姐:若い女性に対して付けます。
老師:尊敬する相手に対して使います。名前とつなげる時に「師」だけを付けることもあります。例えば張紅飛という方がいましたら、普段は老子と読んだり張紅飛師と呼ぶことができます。
中国人のニックネーム(あだ名)のルール
名前の一字を2回言う
名前にリンという発音が入っていれば、それをリンリンと2回言うことでニックネーム化することが中国ではとても一般的です。例えば張紅飛さんの場合、紅紅、或いは飛飛のようになります。
名前の一字の前に『小』や『老』を付ける
年下に対しては『小』を、年上に対しては『老』を名前の先頭に付けることで親しみを込めて呼ぶことも一般的です。例えば張紅飛さんのケースでいうと、小紅か老紅、或いは小飛か老飛のようになります。
名前の一字の前に『阿』を付ける
名前の先頭に『阿』を付けることで愛情を込めた呼び方になります。例えば張紅飛さんなら阿紅、或いは阿飛となります。
名前と全然一致しないあだ名
中国では知人同士では日常的に本名とは全く関係のない通名で呼ぶ合うこともよくあります。かつては幼名や成人して付ける名前などがあったため習慣が残ったものだと考えられます。
中国は夫婦別姓
中国では夫婦別姓が標準です。妻は別姓のままで、子供は父の名字を受け継ぐ伝統がありましたが、今は父親の名字か母親の名字かのどちらかを選ぶことができるようになっています。また今は可能になっていますが、かつては同姓の人々は結婚できませんでした。同姓がめちゃくちゃ多い中国だと好きになった人が同姓であるケースはさぞ多かったのではないでしょうか。
中国のイスラム教徒回族に多い名字一覧
- 馬
- 麻
- 阿
- 安
- 納
- 拝
- 保
- 宝
- 白
- 展
- 定
- 丁
- 沙
- 薩
- 速
- 把
- 比
- 哈
- 摆
- 卜
- 撒
- 答
- 達
- 郝
- 木
- 賽
- 從
- 艾
- 蘇
- 閃
- 忽
回族には上記名字が多いと言われています。馬という苗字が多い理由はモハメッドの頭文字のM音から来ていると言われています。広大な領土と長い歴史を持つ中国の奥深さも感じますね。日本も漢字を使用しているので、中国人の名前を見知ってくると覚えるのはそれほど難しいことではないと思います。
以上中国人の名前と苗字、最も多い名字、多く使われている文字、敬称や婚姻後の名前のルールについて紹介しました。

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