ネパール南部はネパール語が通じなくなる。

ネパール南部の町ビルガンジ
写真はネパール南部の町ビルガンジです。ネパールのタライ平原の特にインド国境の町ではネパール語が通じないことがよくあります。或いは通じても、相手はネパール語で返事してくれないことがあります。 タライ平原にはボジュプリ語を話す人々やマイティリ語を話す人々が元々多く住んでいるからです。さらに現代ではインド人とネパール人は互いに人の出入りを制限していないので、ネパール南部はインドから多くの人々がビザなしで入国し住むようになり、インド語も凄い勢いで増えています。1国のなかで別々の言葉を話す民族がたくさんいてそれぞれに競う風でもなく増えていく。明日のことはなるようになるって感じなんですかね。 ネパールにはさまざまな言語があります。 平原地帯にはボジュプリ語やマイティリ語やタルー語があり、丘陵地帯にはグルン語、マガール語、タマン語、ネワール語、シェルパ語などなどがあります。丘陵に住む人々は独自の言葉を持っていてもいずれもネパール語を話せます。 丘陵の人々が平原にも住むようになったのは長い歴史の中ではごく最近のことです。 電気とか自動車とかが出てくる以前は、丘陵に住んでいた人々は山での暮らしで全て足りていたからでしょう。山に段々畑を作り、川の水を引き、草木は家畜の餌になりますし、薪にして火を起こすこともできます。敵の侵入にも平原より山のほうが守りが強いはずです。 平原の人々は言葉だけでなく話している時の表情やリアクションも丘陵と異なります。丘陵の人々は平原の人々に比べて愛想笑いが多かったり人目を気にするのに比べ、平原の人たちは無表情で行動も自分のこと以外は気にしていないように見えます。 いまのところ私たちが写真などで見るネパールの風景や建物は丘陵スタイルのものになっています。