ネパールの買い物は偽ブランド品だらけ!カトマンズのショッピングエリアでもコピー商品だらけ

市場でブランドのコピー商品を買うネパール人たち

日本に来ているネパール人がブランドロゴが入ったバッグやTシャツ、ジャケットを着ているのを見たことがあるのではないでしょうか。

タメルなどでノースフェイスのイミテーションを見たことがある人もいると思いますが、実は私は登山にあまり興味がないのでネパールにブランドのコピー品が跋扈していることを最初は知りませんでした。私が一番最初にネパールに行った時に知り合ったネパール人が来ていたTシャツにはアルマーニと書かれていました。正規品そのもののデザインで正直言って驚きました。え、そんな高い物を着るの??ネパールって貧しい国って聞いてたけど??と困惑しました。

それまでネパールの珍しいものをしげしげと見て回ってはいましたが、人自体をまじまじと見ることはなかったのですが、よく見るようにするといたるところにブランド品を身につけた人がいるではありませんか。

ナイキairマックスとか履いていて、いやそれはそんな履き方する??と驚いたのが田んぼのなかを惜しげもなく無造作に歩いていく様子でした。私は長旅を考えていつでも捨てられるユニクロ服ばかり持ってきていましたので、この人たちのリッチな装いに圧倒されていました。

ネパールの田舎の商店街

破格の値段で買えるというのを知ったのは町に戻ってからでした。

私は初ネパールは観光が目的だったので、入国してもショッピングエリアに行くことはなかったですし、町も観光スポットだけ見たらすぐに他の町へ移動を繰り返していました。そしてそのまま田舎まで足をのばしていきました。長い旅の終盤、町に戻ってきた私はさっそくネパール人たちが身につけている高価な服を見てみようと思ってカトマンズのニューロードと言うショッピングエリアに行ってみました。するとそこかしこに店の正面に無造作に吊り下げられ紫外線や雨風で変色したバッグやジャケットのブランド模造品がありました。

うわっ、これで高いわけないだろ?・・・と思いながら試しにZARAと書かれたTシャツの値段を聞くと(しかも当時まだネパール語が分からなかったので英語で聞くしかありませんでした。)


「これはブランド品だから少し高いぞ」
「(うわっ)・・・」

「500ルピー(500円)だ」
ということでした。


ネパールではコピー品が普通に売られています。首都の一番大きなショッピングエリアでも当たり前のように偽物が陳列され、お客さんも当たり前のように買っていきます。隠れて売ったりしていません。人々も例えばアルマーニと書かれたTシャツが売ってあったとしても、それをアルマーニの偽物と認識して選ぶのではなく、そのTシャツのデザインが自分の好みに合うかどうかだけしか考えていません。たぶんお客さんはブランドの名前も知らないのではないでしょうか。ただ、その商品があってデザインが好きだから買っていくだけのように見えます。

偽物は中国とバングラデシュからメインにはいってきていて、サングラス、Tシャツ、スニーカー、なかでもスニーカーはスーパーコピーと言って良いぐらいの品質です。どうやら工場から横流しされている?ような話を聞きましたが真相は定かではありません。

外国人が集まるタメルとかではあまり目にしませんが、例えばタメルを少し北上するか南下すると現地民たちのショップが並ぶ通りになります。そこには当たり前のように多くの店で有名ブランドの偽物品が並んでいるのです。タメルでは偽物ブランドの代わりにカシミアなど天然素材100%を売り文句にした店ばかりになります。外国人が目をつけるところをよくわかっているなと思いますね。

ネパールのコピー品の特徴はビトンとかバーバリーとかではなく、ナイキのエア(AIR)とか若者に人気のZARA、H&Mなどのファーストファッションアパレルなどです。

まずナイキなどのシューズの値段を聞くと1000~3000が相場でしたが、5000ルピーとかいう店もありますし、客を見て適当に値段を決めている感は否めません。正規品ならそれでもありえないほど安いので当然、「コピーだろ?」という話になります。

「それ高いね」
「正規品だからね」
「ハハハ・・・そんなわけないでしょ」
「正規品と同じ仕様だ」
いい加減なことばかり言います。


店側は当たり前のように「デュプリケート(複製品)」だと言います。むしろ自信に満ちています。俺の店のコピーは凄いのを扱ってるぞみたいなつもりなのでしょう。すべて完全に同じだと、ここまでハイレベルのコピーともなれば誰にもわかりゃしないんだから、これは本物であると言わんばかりに。そして実際に手にとって見てみろと言われます。

「それにしても良くできているなあ・・・。」というのが正直な感想です。ナイキのように種類が無数にあるシューズメーカーとなると、それがほんものか偽物か、そもそもどの種類なのか分からないので一見判別できませんしね。新作も次々にでますし。(私が加齢のために全て同じに見えるようになってきただけかもしれませんが。)

ネパール人の店員の言い分はだいたいこうです。
「コピーだが品質は変わらないぞ?」
「俺のとこのは特にクオリティ高いコピーなんだから安いもんだろ?」
基本的に、売ってやっているつもりのようです。

なかでもZARAはなぜか人気で、これはかなり高く設定されてきています。おそらく客からの認知度もあるからでしょうか。海外出稼ぎの人たちがリターンしたりすることで、徐々にローカルのネパール人もブランドを知るようになってきています。デザインなどは本物よりもイケてるんじゃないかな?みたいなのも時々あります。

偽物のノースフェイスのダウンジャケットを売るネパール人

最も多い偽物はノースフェイスでしょう。これは多くの人、ユーチューバーなども実際に録画して見せていますが、ネパールでジャケットと言えば偽物ノースフェイスのダウンジャケットでしょう。こればかりはタメルでも見ます。値段は1000ルピー~1500ルピーです。2500とか3000で売ってるとこもあると思います。中綿としてつめてあるのはダウンではなく鶏の羽と言われています。保温性は私は着たことないので何とも言えませんが、現地人はこれが比較的あったかいから着てるわけですからね。

サングラスなども全部偽ブランドです。偽ブランドロゴが入ってないサングラスを探すほうが難しいと思います。レイバンなんて堂々と書いてありますが、これをネパールのアーリア系男子がつけるとブランドうんぬん以前にカッコイイのなんの・・・

バッグで一番人気のコピーはMKとかいうマークのついたバッグです。MKって正直なんなのかわからないんですけど、なぜかカトマンズの女子の半数はMKロゴ入りのバッグを持っていますね。ちなみにネパールのバッグはいずれも縫いが甘く耐久性に劣りジッパーも壊れやすいと思います。最悪の場合ファスナーの引手がふにゃっと曲がることもあります。私はネパールでノーブランドの登山用リュックサックを幾つか買ってみましたが、結局日本から持って行った1000円のリュックが一番長持ちしました。

コピー品を皆が当たり前につけている国なのですが、やはり外国から来た私にすると偽ブランドをつけて歩くのは恥ずかしいので買うことはないと思います。