ウイグル族の結婚方法と強制結婚の有無や中国人(漢民族)との婚姻も解説
2021/3月/13
世界には色んな結婚制度がありますが、ウイグル族もまた独自の結婚スタイルを持っています。この記事では、伝統を守るウイグルの人々の結婚がどのようなものかを解説します。
ウイグル族の婚礼
ウイグル人の結婚は家族の意向が大きく影響するお見合いが一般的であり、最終決定権は女性側にあるものの伝統的な儀式に則った結婚式を挙げなければなりません。ちなみに、一般的にウイグル族は信仰する宗教は一夫多妻を許容するイスラム教ですが、中国の婚姻法に基づき一夫一妻制です。では以下に結婚の手順を解説します。
先ずはお見合い
ウイグルでは結婚持参金制度があるため、結婚相手の家族について事前調査が入念に行われます。男性の親が結婚に適した容姿と性格と年齢の女性を探し、家族の状況まで調査します。ふさわしい相手が見つかるまでそれが繰り返されます。そうして相応しい女性が見つかると、男性の親が正装をして塩と角砂糖とナンを持参し、村の長老同行で女性の両親に結婚を提案しに行きます。塩とナンをなぜ持参するかというと、ウイグルの結婚式では乾燥したナンを塩水に浸して新郎新婦が食べる儀式があるため、それらを持参することで結婚の意思を表現する意味が込められています。携帯食にもなる乾燥したナンを水で戻して食べるという、草原に生きる人々ならではですね。
そうして提案を受けた女性側の家族では何日もかけて会議が行われます。相手男性の容姿と性格と年齢、その家族の状況も調査します。それは遠慮のない現実的な調査であり、双方が承知の上で行われます。嘘や隠し事のないことを確認し、一つのわだかまりもなく式を挙げて存分に幸福を満喫するためのステップです。とことんにまで調査した後、最後に結婚するか否かの判断が女性に委ねられます。この時に当然断ることも可能です。女性が承諾した場合、お見合いが成立したことが直ちに地域社会に公表されます。それは誠実に関係を築いていくことを目的とされています。二人の契りを皆で大事にしようという熱意がはんぱないですね。
結婚式
結婚の日はウイグルで縁起が良いと考えられている日が選ばれます。結婚式に出席できるのは女性のみです。男性は親戚や友人のみ出席可能、それ以外では長老など尊敬を集めている人に限られます。まず結婚の日、男性が付添人と赤いリボンを結んだ羊(贈り物)を連れて女性の家に行き、女性は男性の付添人に衣服を贈ります。そしてその後、参加者が集まり、羊はその日の料理になります。やはり遊牧民らしく羊の肉ですね。尚、式では以下3つの物を交換する儀式もあります。
1. 持参金制度
持参金は結婚会議のときに合意しておく必要があります。そしてなんと『持参金】と『持参物』のリストが結婚式で読み上げられますので粗末なことはできません。流石というかなんというか、もういっそのことここまでとことんつきつめたほうが清々するような気もしてきますね。
2. 男性の持参品
花嫁と花嫁の家族親戚への衣服と装飾品など、身につける物に関係する物を渡す伝統です。
3. 女性の持参品
花婿と花婿の両親のための衣服、持参金、カーペット、寝具、テーブルクロス、カーテン、木箱、など家に置くものに関係する物を渡します。
ウイグル族の結婚は強制ではなく女性に選ぶ権利がある
ウイグルの結婚は男性側家族の提案によって開始され、双方家族の意思を巻き込んだものであるものの、前述の通り最終判断は当事者女性が下しています。器量の良い女性には求婚者も多く来ますので、女性自身が次々にパスすることもありますし、また婚約前に好きあって恋愛関係に落ちた男女カップルが、両親に結婚の意思を告知することもあります。
ウイグル族と漢族の結婚が難しい3つの理由
ウイグル人女性は漢族男性にとても人気があります。理由は単純明快で、ウイグル女性が非常に美しいからです。しかし両者には克服するべき点がいくつかあります。
中国の婚姻法では男性は20歳以上、女性は18歳以上であれば法的手続きを経て誰でも結婚・離婚できますが、婚姻による財産の取得や宗教的干渉は禁じられています。ウイグル民族など少数民族同士が独自の文化(結婚を含む)で婚姻する場合はその仕来りが例外的に許容されています。ということはまず
- ウイグル人はイスラム教徒であり、イスラム教徒は基本的にイスラム教徒としか結婚しません。つまり漢族はイスラム教徒になる必要があります。
- 次にウイグル族が漢族との生活に馴染めるのかという懸念が持たれます。例えば結婚する両当事者だけの好みの問題ではなく、婚前の家族会議の段階においてすでに要望がかみ合いません。
- さらに言語の問題が残っています。ウイグル人はウイグル語、漢族は中国語を話すため、家族会議でそもそもコミュニケーションが取れません。
つまり、ウイグル族と漢民族の結婚は可能ですが、上述のような理由により簡単にはいかないようです。
さて、今回はウイグル族の結婚について確認しました。いかがでしたでしょうか。独自文化に満ちた結婚式などは発展した国では今やあまり残っていません。そんな中、こういった風習を持つ結婚式は興味深く楽しいですね。
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