ネパール人は不潔?日本との違い比較しながらポジティブに解釈
目次
ネパールの臭い・汚いは本当に不衛生か?
生活空間そのものが衛生管理に緩い
ネパールの一般的な居住環境は、室内では裸足ですがドアの前で靴を脱ぐだけで靴脱ぎ場という概念は無く、新築一軒家などでも明確な境界が作られていないので簡単に靴などに付着した塵・ホコリが吹き上げられて室内に入ってきます。また、トイレはティッシュを使わず水で尻を流して拭きますので床に水が飛び散るため、トイレは必ずコンクリ―トかタイルで、履物を履いてします。衣類や手、足などでに使用水が付いているわけですね。それで室内に戻ってゴロゴロしますので、どれだけ整理整頓されていても基本的に衛生的とは言えません。
トイレは左手だけというわけではない
トイレのことをもう少し詳しく言うと、公共であれ私用であれネパールのトイレにティッシュはありません。洗浄用の水が入った桶と汲みとるためのジャグが置いてあるか、或いは水を噴射させるホース式が設置してあるかのどちらかです。桶に残った水が足りない場合もあります。トイレは左手と良く言いますが、実際それは象徴的な意味合いもので、実際は利き手やその時に使いやすい方の手でやっています。片手で水を持ってかけてる間にもう片手で洗いますので、当然どっちの手にも使用水が飛び散ってつくわけです。なのでトイレが左手というなら、右手は清潔か?と言うことではありません。また洗い流した後の濡れたお尻を拭くタオルもティッシュもありません。仮に共用タオルがあったらそれはそれで恐ろしく不衛生ですが・・・。石鹸が設置してある公共トイレもほぼありません。
そうして洗い終わった尻が濡れたままズボンを履いてそのまま暮らしているわけです。そういった日常のコンディションがまずあります。
シャワーもしない
お風呂に毎日入る日本の習慣も実は世界的には珍しいことですが、外国でもシャワーくらい毎日か2日に1回はかかっています。ところがネパールでは一週間に1回とか、2週間に1回のペースです。1週間に2回もすればそれは充分に多いと考えられます。設備不足や、都市部では単純に水が不足していたり、或いは冬はホットシャワーが出ないと寒いから嫌という理由もありますが、それだけではありません。これは文化的なこともからんでいます。シャワーしない代わりに水で体を濡らし素手で擦って汚れを落とす人々もいます。ホットシャワーとか石鹸を使いたくないとかいう人もいます。昔からの生活を変えたくないので、単にシャワーをかかって石鹸で洗い流せば良いだけではないケースもあるようです。
シャワー頻度が少ないと当然体臭がわきますが、体臭は慣れてしまえば感知しません。毎日シャワーするから臭いに敏感になってしまうのです。そう考えてみればネパール流のほうが本物かもしれない錯覚に陥ることもできるのではないでしょうか。体臭はでるもの、だからそれはそれで良い。もうこの際だからそう考えてみましょう。
衣服の汚れ【衣類を大事に着ない】
ネパール人は基本的に衣類に食事のタレや食べかすがつくことをそれほど気にしません。まずこのことは日本的な観点で考えると嫌悪感を抱く人もいるかと思います。
- なぜ衣服を大事にしないのか
- なぜ衣類に染みが付いて平気なのか
このように思うのではないでしょうか。ここには一つの考え方の違いがあります。それは単純で、衣服は汚れる物という考え方です。その代わりネパール人は汚れた衣服はしっかりと手洗いしてシミを残しません。日常生活において、衣類が汚れるか気にしていてはフルにエンジョイできないし、汚れたら洗えば良いだけというコンセプトです。ですからネパールの女性は毎日のように家族の衣類を入念に手洗いしています。
衣服だけではありません。例えばネパール人は農村のあぜ道なども白い靴や白いソックスで歩いていますが、毎日真っ白に洗い上げています。泥だらけになってどうやって色を落としているのか驚きですが、単純に家にいるネパール人の女性が毎日ひたすら家族の衣服を手で洗濯しているんです。この手洗いがほんとに効果的です。
ネパールは国が発展の途上にあって、日常で簡単に埃まみれになります。車の増加によって排ガス、道路の埃、などが舞い上がります。そのため、一々塵を気にしていると生活できなくなってしまいます。これも、彼らが少々の汚れなら、その日の終わりに洗濯すれば良いと考える理由の一つになっています。
塵や埃だけではありません。ネパールでは日常で色のついた粉を多用します。いわゆるティカという習慣です。ヒンズー教の神に祈りをし、赤い粉末を水で混ぜでそれを額に着けます。あるいは、家の壁につけることもよくあります。そのほかにも、メヘンディという手に柄を描くファッションなかもあります。生活のなかに色を体や物につける習慣がありますし、それが神の祝福を意味する行為でもありますから、衣服に何かがつくことは想定内という免疫ができているわけです。国情的に、清潔に保つということに時間をかたむけだすとキリがなくなるコンディションなのです。
キッチンはけっこうヤバい
ネパールの台所事情は流石に不衛生と言うしかありません。- とにかくゴキブリが多いのが第一に挙がります。増えまくるまで特に対処しません。
- そして3秒ルールの存在が第2です。床に落ちると水で洗うか、表面に特に何も見えないならそのままというのはデフォルトです。
- それから布巾が薄汚れて異臭を放っていてもなぜか使い続けます。自分が着る衣類はマメに洗うネパール人ですが、人目につかない布巾などは一向に洗おうとしません。
ネパールではゴキブリや蝿が食べ物の側を通ったぐらいでは動じません。食べ物に入っていないから、食べることに関しては問題ないという大らかな考え方です。日本人ならゴキブリがいるのは室内が汚い証拠、或いは、ゴキブリはゴミを漁るため汚れを運んでくると考えます。実際、ウンコに止まった蝿が食べ物にも止まると間接的にウンコが付いたことになりますから、汚いのですが、ゴキブリやハエが多い暑い国々ではハエの処理には限界があります。そこで、だんだんとキャパシティが広がってきたと考えられます。
大都市もありますが、ネパール人のほとんどは農村に住んでいます。農村地帯の人口が物凄く多いんです。で、農村では家と家畜が非常に近い距離で共生していますから、そういった点でも慣れがあります。
ウォーターピッチャーを回し飲みする習慣
ネパール人にはどうしても私は受け付けきれない習慣があります。ウォーターピッチャーで水を回し飲みすることです。友人でも嫌なのに、それがレストランなど不特定多数が使う時でも回し飲みをします。知らない人と水を回し飲むことに抵抗がないようです。しかも飲み口に唇はつけていないからセーフ、というダラクサな言い分です。接触はしていないと言い張りますが、なぜか全員飲み口に指を付けて飲みます。これは大変不潔に感じます。水と指が接触しているし、目に見えない粉末化した唾も付着しているでしょう。気持ち悪いだけでなく、実際感染症にかかるリスクもでるからです。
自分の家の庭でもポイ捨てが当たり前
ネパール人は物をポイ捨てしまくります。そのため道路などもものすごく散らかっていて汚いのですが、なんと自分の家の庭でもポイ捨てしましまいます。作物作っている畑でもポイ捨てがデフォルトです。信じられない話だと思いますが(笑)。物をとにかく捨てるんですその場で。水を買いました、歩きながら蓋についているシールをはがして捨てます、飲みます、ペットボトル空になりました、そのまま投げ捨てます。これはネパールの流儀です。私も最初はゴミをどうしたら良いか戸惑いましたが、その辺に捨てろ、というのがネパール人から頂いた答えでした。いや実に簡単で明快ですな!
掃除してる様に見えても油断ならない
ネパールの家庭では女人が驚くほど綺麗に毎日家の片づけをしています。朝から室内を掃除し、水を敷いてモップをかけ、こういう日常風景ですが、あれも実は汚いです。モップを綺麗に洗うこともないし、床に洗剤をまくわけでもないので、汚れだらけで垢を伸ばしているようなものです。女性が朝と晩に毎回室内を箒で掃く姿は実に綺麗好きに見えて清らかな気持ちになりますが、あれはそういう掃除する綺麗な女性の景色であるだけで、実際に綺麗になってるかは度外視しましょう。
ネパールの女性はよく箒がけし、モップをかけ、家具を濡らした布巾で小まめにふきあげていきます。しかし、外も内も同じ道具を使用しますし布巾自体の洗濯は忘れられがち、なので・・・。
"ネパール人は不潔か?"のまとめ
以上、ネパールには日本人の感覚から見ると、本当に不衛生・不潔と感じることも多いと思いますが、ネパール人は無駄にキレイにしすぎないという思考を持っていると考えるとどうでしょうか。ネパール人は生活するということは汚れが発生するのも一部であるととらえているようなところがあります。もうこの際ですから、汚れるからとかいう理由をいちいち気にしたくない自由主義者たちだと思いましょうよ。郷に入っては郷に従え、かえって精神衛生的にも体機能的にも免疫力が高まって良いかもしれませんよ。