ネパールの冬は大変

日本とネパールの気候の違いは日中の温度。ネパールにも四季があり、冬は10度以下になるが、日中は体感温度15度以上。ネパール人の一般的な冬の暮らしを書いてみよう。ネパールはコンクリート作りの家屋が一般的で、冬になると結露し、室内はとても寒い。また換気扇などがないため、カビも発生しやすい。バッグのなかにカビがでる。このカビが本当に曲者だ。革靴やベルト、バッグ、革手袋などの上等な革製品はすぐにダメになる。縫い目に入り込んで落としきれなくなる。暖房施設はホテルなどにしかないため、市民は外に座って暖をとる。庭先に座って焚火をする人も多く、プラスチックなどもいっしょに燃やす。シャワー設備はほとんどなく、ヒーティングシステムもないため、バケツに熱湯と水をまぜてトイレで軽く流すぐらいしかできない。トイレのなか、体を洗うと水がはじけるのも不快感が凄い。ネパールのトイレにはトイレットペーパーはなく、排便後は水と手で洗う習慣があるが、この水がめちゃくちゃに冷たい。そもそもネパールでは1週間以上体を洗っていないことは当たり前だが、冬ともなれば寒さとバケツに溜めてトイレ内でできるかぎり清潔になるように工夫するという面倒さでどうしても体を洗うこと自体が苦痛になってくる。コンクリート作りの室内は夜はかなり冷え込むため、服を着て布団や毛布など厚めのものを2重にして寝るのが一般的。毎日温かい風呂に入ってきた我々日本人にとって、ネパール人の家に連泊するというのはかなり厳しいものがある。シャワーに給湯システムをとりつけるにしても、ネパールで入手できる一般家庭用の給湯システムでは、温めるのに時間を要するうえに、我々の水の使い方でやるとシャワー1回分さえまかないきれない。