インド商人マールワーリー(マルワディ)|金持ちカーストグループ

インド商人マールワーリー
インドの車大手Bajajもトップにはマルワリがいます。インドの億万長者クマールマンガラムビルラもマルワリです。ネパールで一番の大金持ちもビノッドチョードリーというマルワリです。マルワリはインドで特に強い商人グループです。このグループは一つのカーストによって構成されているものではなく、ラジャスターンの砂漠地帯にある町マルワール出身の色んなカーストが集ったビジネスグループです。もともとは商人たちが結束してラジャスターン州と他州の間で物を売っていたのですが、イギリス統治時代にはコルカタがビジネス拠点になるとマルワリたちはチャンスを求めてコルカタに集まりましたし、海外貿易や金貸しで財を成した商人たちも出てきたりで次第に強いコミュニティーになっていきました。商売熱心であったため多言語を学ぶことの重要性や、他地域で文化的に異なる相手と上手くコミュニケーションする必要性を早くから気づて実践していたグループなので、どんどんとビジネスの幅を広げていきました。今ではインド全土、特にイギリス領時代にビジネスの拠点となっていた西ベンガルに多く、そしてネパールやバングラデシュにも食い込んでいます。例えばネパールに入っているマルワリたちは食べ物からビール(Nepal Ice)から家電(CG)から製薬まで手がけています。これらは全てネパール人になくてはならないもので、マルワリのシェアはかなりな率になっています。マルワリは今も同族意識の強いコミュニティであり、連帯によって強固な経済地盤を保持しています。婚姻もマルワリコミュニティ内部だけで行われています。なぜならマルワリの考え方では結婚は経済的・政治的な意味を持つ家族同士の同盟であるため、ビジネス網を拡大する重要な意味を持つためです。またビジネスに特化した集団である一方で、家庭内では女性がビジネスにかかわる必要がないように生活と商売の区切りが徹底する伝統的なところもあります。今日のマルワリの繁栄は原点ルールに徹してきた結果と言えるのかもしれません。マルワリの団結はビジネスも生活も掟に全集中する徹底した考えを持つ人々の集まりであると言えるかもしれません。

ネパールでも財力を発揮するマルワリ

冒頭で書きましたネパールの一の大金持ちビノッドチョードリーさんの祖父がラジャスタンからネパールに移住しました。ネパールの原住民であるタルー族にもチョードリー姓がありますがマルワリとは別物です。仮に日本にいる外国人グループが、日本人とは一切結婚せず、彼らのグループでのみ交配を繰り返すとしたら?なんで?と思う方もいるのではないでしょうか。しかしそういったことは南アジアでは普通にあります。その一つにマルワリの人々があがります。マルワリたちはネパールに移住後もビジネス拡大に明け暮れています。100年以上前からネパールに来ていたためネパールの市民権も持っていますが、彼らは今もれっきとしたインド系マルワリグループとしてネパール人からは認識されています。現在もカトマンズを中心に経済力を付け、雑貨から製薬、大手プロダクションまで手広く扱っています。ネパールでマルワリが大金持ちというイメージが強いのは、例えばカトマンズで最も高い学校(学費だけで平均月収の4倍)するようなところにはマルワリぐらいしか行けないという現実を見ているからです。