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台湾檳榔(ビンロウ)~小姐とおっちゃんの短い物語~

台湾の商店街とか歩いてると、元気の良いおっさんがベラベラ喋る口が真っ赤になってるのを見たことあるだろうか?
歯が赤いけど、なんで???みたいな。

あれ、ビンロウという噛みタバコのようなものを食べているからだ。ビンロウという植物の実を葉で巻いたものを、口内でむしゃむしゃ噛みながら含んでおくと、成分が赤色になる反応を起こし、溜まった唾液を吐くときに道端にぺっとやるから、台湾の通りは赤い染みがそこらじゅうについている。ビンロウは漢字で「檳榔」と書く。発音はタイワン・ビンラン。
友人と3人でドライブ中に、車窓に見える通りのおっちゃんがまたしても口元が真っ赤で葉が茶色だから

「なんなわけ?あれ?」
「あれ、タイワン・ビンランだよ!」

「食べてみる??」

友人は可笑しそうに私を見た

「食べるかどうかは分からないけど、見てみたいよ」
「OK!」

友人二人はどの店に行こうか相談している
その辺でいいんだけどって感じなんだが
雑然とした町をグルグル回り、ある雑居ビルの前で停まった。

なんのへんてつもない良くある台湾の街角で友人の一人が車から降りた。
ちょっと違うところは、雑居ビルの1階の店舗がガラス張りで、通りに向かうように設置された店内の窓際席にはちょっとセクシー系のファッションの小姐(シャオチエ)が座って何か手作業をしていること。
高めのテーブルの下には仕切りがないため、座っている下半身が見えている。もちろん服は着ているが、なんかボディラインが強調されているような?とはいえ、台湾はけっこうボディライン強調した服装の女性多いからあんなものか?とか。

それがビンラン売り場だった

台湾の女性ってスタイルいいよなーとか思いながら見ていたら、そこに入っていって友人はビンロウを買った
なるほど~、セクシーなお姉さんが売り子で、手作業してたけどあれはビンランを巻いていたのね

友人はうれしそうに小姐(シャオチエ)と少し話したあとに、車に戻ってきた。

「ここのビンランは美味い!」
と言って私に笑顔を向ける友人に、もう一人が
「こいつあの子が気に入ってるんだ」と笑っている

なるほど、良いビンラン探しじゃなくて、お気に入りの小姐の店に行くことを話していたのか
ワハハ
みんなで笑った
味は渋く、食感はしゃびしゃび、つまり不味かった。
ほわ~んとするらしいが、私は台湾滞在中は朝からビールだし、もともとあの暑さですでにほわ~んとなってるしで、ビンロウなど味も美味くないうえにシャギシャギした食物繊維の違和感が口に広がるわでとてもではなかった。吐き出したものである。
日本では合法ハーブという見方もあるようだが、台湾ではおっちゃんたちがむしゃむしゃ仕事中であろうが運転中であろうが食っている。台湾語をガーガー喋る年配たちと彼らの赤い口元は台湾の観光の名物の一つだと私は感じる。
小姐の巻いたビンランは台湾の成長を支えてきた労働者達の元気の源。