インド人とネパール人は『ブッダ(釈迦)の国籍問題』で激怒する

2018/7/7
仏像 ネパール人やインド人は和やかな人々で、人の言うことに干渉しませんが、両国が抱える領土問題と、あと一つ彼らを本気にさせて言い争うことがあります。それは彼らがお国の名誉をかけて固執し続けること、それは悪口にもなり得る危険なものです。それは"ブッダの出身地がどこなのか"という答えです。

インド人とネパール人はブッダ生誕の地でいがみ合う

「ブッダ ワズ ボーン イン ネパール」というフレーズがネパールにあります。 彼らはこれを本気で言っています。なぜならそこには国家のプライドがかかっているからと言います。ネパール人に対して、ブッダがインド人だとでも言ったとすると、それはとても傷つくことで、彼らの愛国心にかかわる重要な関心事です。ネパール人は外国人が大好きで、とにかく何かと話かけてきては話が途切れないようにと色々あれこれ話続けるわけですが、その途中で必ず「ブッダ ワズ ボーン イン ネパール」という話題が出てきます。あれ?ブッダってインド人じゃなかったかな?とうろ覚えな記憶を確かめでもしようものなら、ネパール人の顔色が変わります。仏陀はネパールで生まれてるのにインドが捏造してると主張してきます。 私はこのことを知っているので、時々冗談で「ブッダはインド人だよな」と言うと、まず10人中10人が血相を変えて私を教え諭そうとします。 歴史ではそもそもそこが現行のインドかネパールかで語るのがナンセンスなのではないかな?と言いうしかありません。ブッダはあのへんに当時あったシャカ族の国の王子であるとも聞いたことがります。今はその地はネパール領内にありルンビニのあたりらしいです。証拠はインドの大王アショーカの石柱が見つかり、そこに釈迦生誕の地と刻まれていたからというものです。いずれにしても、当時は今の国境も国名もありませんからね。ネパールという統一された国が誕生するのは、それからずっとずっと後のシャハ朝の時代に入ってからですもんね。 釈迦誕生の地は現ネパールのルンビニ、釈迦入滅の地は現インドのクシナガルと言われていますね。