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ネパールはどんな国?

ネパール人移民に乗っ取られたシッキム王国ナムゲル朝1642年 - 1975年

ネパールとブータンの間にはチベット人が建てた一つの仏教国があった。その国の名前はシッキム王国と言った。インドとチベットの間に壁のように立ちはだかるヒマラヤが、このシッキムの地点で裂けてV字谷になり、インドと中国を結ぶ交易路となっていた。シルクロードのルートの一つである。
シッキムはチベットが保護する国。そのチベットは宗主国は大清帝国である。

シッキムは隣国であるネパールとブータンから侵攻を受け、南側のダージリンはネパールに取られてしまっていた。
その後、ネパールはチベットとももめるようになる。

ネパール軍はチベット領内に殴り込み、そのまま陣を敷いて居座ってしまった。
そんなチベットを救援するために清はネパールに軍を出し、ネパールを撃退。そのまま清軍はネパールに追い打ちをかけカトマンズまで迫ろうとしていた。

これにネパールは屈服した。

中国の覇権国家は代々、服従するものには寛大である。
ネパールはその国土をそのまま保存できた。そして領土拡張のため西へ西へと進軍していった。
しかも背後を清に守られることで、むしろ存分に西部遠征に集中できたかもしれない。
シッキム王国は黙って見守るしかなかった。

そんなシッキム王国にダージリンを奪還するチャンスがやってくる。
領土拡張を続けていたネパールがインドに進出してきていたイギリスともめ始めたのだ。
両軍は国境線をはっきりさせるため、ネパールの南部に一早く競うように集結していた。
戦争になるのは時間の問題であることはもはや誰の目にも明らかであった。

そこで今しかないと見たシッキム王国は、ダージリン奪還のために兵を進めたのであった。
この気概を示したことは吉と出た。

イギリスが瞬く間にネパールを撃破するや、すぐに講和が始まった。
そして、ネパールはその領土の大部分を失うことになり、そのうちダージリンはシッキムに返還されることになったのだ。
シッキム王国は雪辱を晴らした。

しかし、シッキムはイギリスの恐ろしさを即座に知らされることになる。

ほどなくしてイギリスはなんとダージリンの割譲を求めてきたのである。
シッキムは完全にメンツをつぶされた。
しかも、抗うことは不可能であった。

最新の武器を携えたイギリスに武力でかなうわけがない。
実際、シッキムからダージリンを奪ったネパールをイギリスはいとも容易く破ったのだ。

シッキムは幻想に気づいた。
このタイミングで躊躇なく割譲を迫るイギリスに恐怖した。
イギリスはそのやり口で世界中の土着勢力を反目させ、あっちについたりこっちについたりしながら
最終的にあっちもこっちも勢力下に入れてきた
そうして遂にこのシッキムの地までやってきたのだということを
身をもって実感していた。

そうして、イギリスはダージリンを譲り受ける代わりに、シッキムに対して毎年補償金を出すように決めてしまった。
割譲も、補償金も、すべてイギリスが決めてしまった。
イギリスは綿密であった。補償金はシッキムにとってまとまりある収入源になる。

のち、イギリスはダージリンをお茶の一大生産地に作り替えていく。
当時、シッキム人ではこれは不可能だっただろう。ダージリンは一応、イギリスで発展はした。

さて、ダージリンを割譲してしまったことに怒ったシッキムの保護国であるチベット
保護しているはずの国の領土が勝手に譲渡されたとあってチベットはシッキムに兵を進める
そしてついにチベットとイギリスが一戦交えることになった。

チベット側も今回は本気で戦い、両軍に被害が出るも、最終的にはイギリスにかなわず敗走
しかしイギリスも追撃はかけなかった。こんな山奥の遠地で激しい戦闘が起こったということは、深い入りするとチベットとの本格的な戦争になり、さらなる被害が出るのは明らか、そのうえ宗主国である中国も黙っていないだろう。
両軍はそのままどちらとも追撃をかけることはなかった。

この時以来、シッキムはイギリスの保護下に移った。
そうして時は流れ、やがて第2次世界大戦がはじまり、そして終わり、
徳なき大英帝国の植民地では次々に独立が起こり、インドも独立を果たした。
これにより、それまでイギリス領インド帝国の保護下にあったシッキムは、引き継ぎでインド共和国の保護下として扱われるようになる。

実はシッキム国内にはネパール人移民たちがあふれかえっていた。
ネパール人の移民はシッキムの元来の国民の数をゆうに上回り、
争いごとが起きるようになってしまっていた。

そしてネパール系移民たちは議会でも多数派となり、国政を変えてゆく。
シッキム人との衝突はますます激化し、ついに保護国であるインドが介入することになる。

そうしてインドに併合されてシッキム王国は国王がアメリカ人の妻と共にアメリカに亡命することで1975年、ついに消滅した。
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