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ネパールの結婚持参金制度の実態 ダヘーズ・ダウリー・ダイジョシステム

この記事では、ネパールのダイジョ・システムと呼ばれた結婚持参金制度の名残があるタライでの風習について述べる。このシステムはネパールではダイジョ・システム(daijo system)と呼ばれる。英語ではダウリーと言う。南アジアのヒンドゥー教の慣習で、インドではダヘーズとも呼ばれる。 ネパールではほぼ全てが親が結婚相手を見つけてくるお見合い結婚(アレンジ・マリッジと呼ばれる)であった。今も大部分がお見合い結婚である。しかし、その形態はネパール国内の地域によって多少違う。今回はタライ(terai)ネパール南部の平原地帯の例を紹介しよう。こちらの記事もあわせてどうぞ:
目次
  1. お見合い結婚の掟 ダウリー/ダイジョ・システム
    • 大金が動くネパールの結婚式
    • 中絶:女児をおろすネパールの人々
  2. 児童婚:若すぎるネパール人少女の強制結婚
  3. 楽観的なネパール人の結婚観
    • ヒンズーの教え 宗教が保証するネパールの結婚文化

お見合い結婚の掟 ダヘーズ/ダイジョ・システム

画像はwikimediaより Nepali Wedding Engagement
タライでは男児にとって結婚はストレスフリーだ。
タライでの結婚では女性側が男性側に金をやらねばならない。かつてあった花嫁の持参金制度の名残が強い。額は男性側が決める。タライではこのアレンジシステムが残っている。

大金が動くネパールの結婚式

同カーストから結婚相手を色々探して一番良さそうな家族に対し、「よし、これぐらいのお金を下さい。娘さんと結婚しよう。」
タライの結婚は男性側に多額のお金をあげるしきたりがあるが、お金だけではなくプロパティも要求されることもある。要求されるものを全て出す。 そうしてさらに結婚式で使う金品を揃えなければならない。 タライの男性は結婚相手(女性)の肌の色には容赦ない。 タライの人々はカーストを問わず全員総じて肌が黒い。このため、黒い肌は好まれず、結婚において重要になる。女性が美しく肌もさほど黒くなかったり、男児が女性を特に気に入った場合は、金品の要求値が低くなることもある。しかし男性の肌の色はどうあってもオーケーだ。
男性の親は月日をかけて将来の嫁を選別する。生活態度、家庭状況、経済状況、などなど根掘り葉掘り赤裸々に語り尽くす。そうして相応の嫁候補を数人探し、最後に男性に顔写真を見せる。 男性は親の見せる数人の女性の写真のなかから一人選び、結婚のその日初めて嫁と対面することになる。
花嫁は十代までが重宝され、二十三あたりを過ぎると結婚は難しくなる。男性が望まなくなるからだ。女児が結婚したがらなかったり、親の意向に沿うアレンジが成立しなかった場合に起こる。 また、若いころ結婚を嫌がり続けていたら、ある年齢を堺に誰も興味を持ってくれなくなったケースもある。

中絶:女児をおろすネパールの人々

タライでは子作りのプランをしない。避妊せず、授かるがままにの習慣だ。これが女児ばかり生まれた場合、窮状に拍車をかけてきた。金のない者は妊娠すると病院でチェックし、女のコである場合は将来を悲観して堕ろしてしまうこともある。どうせ他の家に行ってしまう。結婚の金もかかる。女児ばかり沢山産まれた者が、病院で新生児の男児を取り換え盗んだことまであった。
そもそも家族ぐるみのアレンジは、妻を粗末にしないし離婚もしない根本からきている。離婚という選択肢はないし、する思考も例外を省いてそもそもないのだ。もし離婚のりの字もでようものなら大騒ぎになる。女性側は要求された分だけだしたのになぜ離婚かとなるし、女性は渡した資産の返還を要求する。
ネパール人たちの出稼ぎはこういう結婚構造で成り立っている。男性は結婚を済ませるとさっさと妻に家を任せ、存分に海外で働く。夫婦関係の不安はそもそもないのだ。
とは言いつつも、ごく最近になると、旦那の出稼ぎ中に妻が勝手に他の男とくっつき結婚してしまうケースがでてきている。それを題材にした歌や映画もでたほど。村人に至るまでモバイルやスマホを手にしたヒンドゥー社会は未知のステージに入りつつある。

児童婚:若すぎるネパール人少女の強制結婚

ネパールやインドの結婚で良く言われた児童結婚。恋心も湧かない相手と年端もゆかない少女が結婚させられているというのは、もはや昔の話で、現在では一般的ではなくなっている。あったとしても異例、ほんのわずかだろう。強制的なお見合いによる子供たちの結婚という悪習は消えつつある。恋愛より血統を重んじた時代は終わり、そういった慣習の犠牲者でもあった現在の親世代は、自らの子が望まざる結婚を強いられることを非常に嫌悪している。とは言え、自分の子が自由に自らの意思で好きな相手と結婚することを許しているわけではない。子を思って親が良い相手を選ぶ、お見合い結婚(アレンジ・メアリッジ)は今も続いている。あくまでお見合い結婚のなかで、子が納得の行くまで相手を探し続ける時代になっているのだ。

楽観的なネパール人の結婚観

"親が最良の結婚相手を見つけてくれるのだからラッキーだ"とネパールのある若者は言った。自分にふさわしく家庭に向いた女性を数人、親が知恵を絞って見つけてきて、子は顔写真が好みなのを選ぶだけ。
しかしラッキーなケースだけではない。親がある日、自分の結婚を決めて来て、半強制的に婚姻させられる男女も少なくない。親やソサエティの言うことを聞かなければならないという強い義務感がまだ根強い。

ヒンズーの教え 宗教が保証するネパールの結婚文化

なるほど、離婚率が低いわけだ。ネパールの結婚文化は宗教が保証している。ネパールの一年は結婚に関わる宗教行事が多い。行事は家族と共に行われ、幼い頃からそれを見て触れて結婚に対する意識を刷り込んでゆく。
ネパールでは社会から隠れて恋愛をする若者が増えている。それでいて今も親のアレンジする結婚が続いている。例外的なケースを省くと全員アレンジ婚で、若者たちもそれが当たり前と考えている。付き合っていた相手とは結婚を理由に別れ、何もなかったように結婚してゆく。互いにそうしてゆく。恋愛と言っても好き合うもの同士が時々会うだけ。離れた所にデートに出かける。肉体関係まで持つカップルは少ない。若者の意識には、結婚するまで肉体関係を持つべきでないという性の考えがまだあるからだ。しかし交際がバレると結婚に大きくく。また、結婚後、処女でないことが発覚すると、キャンセルする人もいるらしい。
ネパール人の親は子の自由交際を認めない。娘が隠れて交際をしていることを察知した親が、結婚相手を早急にみつけてきて強制的に結婚させてしまうこともある。実際にそうなった女性を知っている。彼女は複数の男性と親密にメッセージのやりとりをしていた。親は我が子の恥を感じて激怒した。しかしまさか別の望ましい男を親が見つけてきてさっさと結婚させるとは・・・。

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